愛車NINJA250のタイヤ交換で直面した“在庫ゼロ問題”の真相をゆるっと深掘り

「え、タイヤが買えない!?」の文字と黒いNINJA250アイコン、タイヤ+レンチのイメージを組み合わせたアイキャッチ 趣味の時間
NINJA250×タイヤ交換のアイキャッチ

はじめに|タイヤ交換がまさかの一大イベントに

愛車の Kawasaki NINJA250(2014 年式) と付き合い始めて約1年。某赤男爵で一目ぼれして、購入したその時から履いていたダンロップ「ARROWMAX GT601」が遂に寿命を迎えてしましました。

海辺の道路脇に停車した黒いKawasaki NINJA250、背景に岩場と青い海が広がる
海をバックに一休みする愛車NINJA250


そもそも、買った段階で2万キロ走った状態だったので、「そりゃそうか~」という気持ちでしたが、フロントタイヤの溝が残り0.8mmでは交換せざる負えません。
というわけで、軽な気持ちで購入元の某赤男爵へ点検&タイヤ交換の相談に行きました。

「次はバイアスタイヤではなく、ラジアルタイヤにしてやるか~」

「少し高めのタイヤでも履かせてやるか~」

と考えていたところ、店員さんのひと言に耳を疑います。

「うちで扱っているダンロップもブリヂストンも IRC も、いま在庫ほぼゼロなんですよ。取り寄せは 1〜2 か月先です」

まさかの “在庫難民” です。シーズン真っ只中に2か月待ちなんてツーリングどころではありません。
2か月後なんて8月の真夏。40℃近い環境の中、意気揚々とNewタイヤでロングツーリングに行くのはいささか気が引けます。というか、ただでさえ短くなりつつあるバイクシーズンを棒に振る訳にはいきません。

結局、店頭に奇跡的に転がっていた IRC『RX‑01』 を握りしめ、1週間後に交換してもらえましたが…「そもそもどうしてタイヤがこんなに入ってこないの?」と気になって調べてみました。


タイヤが品薄になる3つのカラクリ

1)原材料が足りない

まずは“そもそも素材がない”問題。
東南アジアには天然ゴムのプランテーションが広がっていますが、葉枯れ病というカビの一種がじわじわ拡大。さらに 2023〜24 年はエルニーニョで雨が少なく、ゴムの木が樹液を出してくれません。結果、世界全体で見ても 2024 年は前年より約 10%も原料が減る 見込みだとか(ANRPC 調べ)。

天然ゴムが足りなければ合成ゴムで…と言いたいところですが、こちらの原料ブタジエンは原油価格と連動。ウクライナ情勢で原油が跳ねた影響で 合成ゴムの製造コストも 4 割増
メーカーは「じゃあ利益の薄い二輪タイヤは後回しにしよう」となり、私たちライダーのところまで材料が回ってこない構図です。

2)物流が詰まっている

原料が確保できても、今度は“運べない”。
紅海情勢でスエズ運河を通れない大型船が増え、アフリカ喜望峰経由で + 1 週間の遠回り。しかもコンテナが世界各地で滞留し、運賃はコロナ前の 約 2.5 倍 に高止まり。

タイヤメーカーは在庫を「薄く広く」に切り替えたので、船が少し遅れただけで国内倉庫はスカスカ。
ショップが「メーカー欠品です」と言うとき、それは 地球規模の渋滞 をそのまま映した鏡だと思ってください。

3)国内生産ラインが四輪寄り

もう一つのボトルネックは“作りたくても作れない”事情。
ブリヂストンもダンロップも、ここ数年は EV 用四輪タイヤ の開発で手いっぱい。EV は重量が重く、静粛性も求められるため技術課題が山ほどあり、しかも四輪は数量も利益も大きい。

一方、二輪タイヤはサイズ・パターンが細かく分かれていてロットが小さい。利益が薄いなら後回し…という判断は企業として当然です。
つまり、材料が来てもラインが空いていない→二輪用は物理的に製造できない という悪循環に陥っています。

まとめると
① 原料が不足し ② 船が遅れ ③ ラインが空かない
この三段落ちで、今日もどこかのライダーが「在庫ゼロ」に出くわしているわけです。


体感する価格と納期のリアル

  • 2024 年末あたりから メーカー希望小売価格は約 6〜8%アップ
  • しかも実勢価格のほうが高い。要は “定価も上がるが、店頭はさらに上乗せ”状態です。
  • 納期はショップ取り寄せで 1 〜 2 か月待ち がデフォルト。早い者勝ちの在庫争奪戦、ライダーはみんなヒヤヒヤ。

もしメーカー在庫がなかったら?ゆるっと代替ブランド紹介

フロント 110/70‑17、リア 140/70‑17 という NINJA250 定番サイズなら、海外勢を選ぶ手もあります。

  • ミシュラン Pilot Street 2
    雨の日でも安心感が高く、乗り心地はしなやか。ライフはやや短めですが街乗り派には十分。
  • ピレリ Diablo Rosso Sport
    グリップ重視派に人気。ワインディングでの“粘り”が楽しくて、ついアクセルを開けたくなる一本。減りは早め。
  • メッツラー Sportec Street
    硬めコンパウンドでライフ長め。オールラウンド志向で、初めての海外銘柄でも馴染みやすい。

※どれもサイズ互換あり(2025 年 6 月時点)。在庫と価格はショップや時期で変動するので要確認です。


参考にしたデータとリンク


交換直後のIRC RX-01フロントタイヤとブレーキディスクを写したNINJA250のホイール周辺アップ
交換直後でピカピカのフロントタイヤ(IRC RX-01)

まとめ|在庫ゼロ時代でも“備え”があれば怖くない

  • ゴム不足・物流遅延・生産シフト── 三つ巴の要因 で二輪タイヤはしばらく品薄(&値上げ)傾向。
  • 欲しい銘柄が買えない時は、海外ブランドという引き出し を持っておくと対処しやすい。
  • そして何より、交換サイクルを前倒しで読んで「気づいたらすぐ注文」。これだけで愛車ライフのストレスが激減します。

また、今回はお付き合いのある某赤男爵のお店で購入から交換まで全て行ってもらったため、このような状況になりました。しかし、特にお店にこだわりがないのであれば、その他バイクショップへタイヤ在庫の確認をし、交換したいタイヤがあればそちらのお店で購入するのも手かもしれません。

次のタイヤ交換、あなたは何か月前から動きますか? “早め早め”が、結局いちばんラクかもしれません。

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